ゴム風船の、美しさかな

いろとりどりのゴム風船が爆ぜる様ーーまことに人生、一瞬の夢

【感想】『フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない』ビジュアルノベル版

フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない』ビジュアルノベル版 読み終わりましたので感想を綴っていこうかと思う。

 

フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない』は星海社FICTIONSより刊行された青春怪談小説であり、第六巻で完結している。

 

このビジュアルノベル版は作者である一肇(にのまえはじめ)が所属するニトロプラスが原作第一章の『case:01とcase:02「願いのかなう家」』をビジュアルノベル化したもので、web上で無料公開されている。演出の巧さは流石ニトロプラスで大変満足できるものでした。

 

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プレイ時間:2h

公開日:2012年6月16日

感想(微ネタバレ)

主人公である山田凪人(以下ナギ)が家賃を安く済ませよと武蔵野郊外で借りた家は「願いの叶う家」と呼ばれていた。しかしその家で過ごしてひと月もしないうちに不可解な現象が起き、それに恐怖を覚えたナギは『異界ヶ淵』というオカルトサイトにこのことを持ち込んで……

 
・青春怪談小説

物語は「夜石に出逢えば死ぬ」「夜石は生きた人間じゃない」「夜石が参加したオフ会は恐ろしい結末を迎える」と嘯かれる少女、夜石との出逢いから展開を始める。

怪談元の家で夜石は調査するわけですが、一ヶ月も風呂に入っていなかったり、突然ゲロを吐き出したり

 

栗本先輩は黒装束で現れたり、明らかに大学に関係ない人とサークル内で過ごしていたりと、まだまだ謎の多い人物って感じですね。(おっぱいライトノベル要員という印象)

 

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この夜石ちゃん煽情的ですねえ

 

・ホラー

ペダンチックな部分がないとも言い切れませんでしたが、各々のホラー現象に理由が紐づけされていて読了後感は心地よかったです(やはり怖いものは怖いのでゾクゾクとした心地よさもありました)。

BGMやSEの使い方が非常に巧く、文章だけでは味わえない恐怖感を得られました。

(ホラー耐性がない方は夜眠れないんじゃないかな)

「本当に聞きたいの?」

「まだ今なら戻れるわ」

こちらが覗けば向こうからも見えてしまう――そういう物語よ」

フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない』――美鶴木夜石

この言葉にいろいろと集約されていますね。

「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」(ニーチェ)を思い出したのは私だけではないはず。こちらというのは此岸、向こうとは彼岸。

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未プレイの人はこれ以降は見ないほうが楽しめます。

 

 

 

 

あのセリフの後でナギは向こう側へ足を踏み入れる決断をします。

この時の夜石のセリフがこれまたいい。

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このセリフを見た人はもう小説版を買うしか無いですね。

だって私たち読者もこちら側』に足を踏み入れてしまったのですから。

 

 フェノメノには著者の前作である『幽式』のキャラクター、舞台が多く登場するのでそちらを先に読んでおきたいですね。

 

 

 

幽式 (ガガガ文庫)

幽式 (ガガガ文庫)

 

 

 

フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない (星海社文庫)